この一件がトリガーになり、有名人に対する「学暴MeToo」が連日ニュースに出てくるようになった。
そのひとりが、日本でも知られているアイドルグループ「StrayKids」のメンバー、ヒョンジンさん。彼の中学校の同級生と名乗る人の告発がインターネットコミュニティーに掲載され、さらに別の人もヒョンジンさんがひどい暴言を日常的に繰り返していたと暴露した。
「StrayKids」の事務所である「JYPエンターテインメント」は、ただちに真相調査をはじめ、結局ヒョンジンさんは自分で謝罪文を作成して学暴を認め、活動休止を発表した。彼個人だけでなく、メンバー全員の活動に支障が生じ、ヒョンジンさんのグループ脱退を要求する声も出てきた。一部ではヒョンジンさんを擁護する意見もあったが、すでにメディアと世論は「ヒョンジンは罪人」というレッテルを貼っていた。
有望俳優と呼ばれていたジス(JISOO)さんも、活動休止に追い込まれた。出演したドラマが人気を集め始めていたさなかに「学暴MeToo」の加害者として名指しされた。
SNSに暴露が広がると、彼は学暴の事実を認めた。ジスさんはドラマから降板することになったが、代役での撮り直しをすることになったドラマ制作会社は、ジスさんの事務所に対して30億ウォンの損害賠償を求めて提訴。事務所も彼との契約を解除した。
また、160キロの速球を武器に、2022年には韓国リーグ2位の15勝をあげ、最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得した安佑鎭(アン・ウジン)選手も、高校時代の後輩から「学暴MeToo」が暴露された。次世代エースと言われていたが、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)大会では韓国代表に選ばれなかった。
メディアと世論は、彼の過去を許さなかった。大リーグ出身でダルビッシュ有選手とテキサス・レンジャーズで同僚だった秋信守(チュ・シンス)選手が、出演したラジオ番組で「彼(アン選手)の過去を許し、WBC出場の機会を与えなければならない」などと発言してアン選手をかばったが、世論の激しい叱責を受けた。