主演映画「ミックス。」の公開を控えて、新垣結衣がAERAの表紙に登場した。
カメラの前でも、そのたたずまいはごく自然。ワンピースの裾を少しつまんだり、首を傾けたり。ただそれだけなのに、思わずため息が漏れる。
消えてしまいそうなほどの透明感をまといながら、確かな意志と芯の強さをたたえる大きな瞳。目が離せなくなりそうな、不思議な存在感がある。
デビューが雑誌モデルだっただけあって、いまも「写真を撮られるのが一番好き」と新垣。
「光の加減や背景で、全然世界が変わるから。一瞬を切り取るって、すごく素敵」
相手の目をじっと見つめ、言葉を選びながらゆっくりと話す。そんな「素」の彼女が「静」なら、10月公開の映画「ミックス。」で見せるその姿はまさに「動」だ。元天才卓球少女の主人公を熱演。瑛太演じる元ボクサーと男女混合ペア(ミックス)を組んで、数々の強敵に挑んでいく。
卓球シーンの撮影では、素振りや千本ノックを繰り返すうちに「これだ!」と感覚がつかめた瞬間があった。
「本当にリアルな卓球の動きが、カメラのレンズを通すと小さく見えてしまうこともある。そういうのを含めて『この加減だな』と分かった瞬間が、ある日突然やってきて。それ以降は、卓球指導の先生からフォームの直しが減りました」
多忙な日常のリラックス法を聞くと、ちょっと意外な答えが返ってきた。
「録画した番組で、ハードディスクの容量が減っていくじゃないですか。それを見ては消して、残量が増えていくのがすごく楽しい。『あ、今こんなに余裕ある!』みたいな(笑)。それができたという、自分の時間がある感じとか」
きちんとしているんですね。
「この話で伝わります?(笑)きちんと生きていきたい、とは思っています」(編集部・市岡ひかり)
※AERA 2017年10月16日号