オープンキャンパス真っ盛りのこの季節。最近では親同伴で学内を回る姿も珍しくない。教育環境や入試倍率、学費もそうだが、“出口”の就職率なども気になるところ。 AERA 8月28日号「コスパのいい大学」より、千葉大学出身のオアシズの大久保佳代子さんへのインタビューをお届けする。
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大学進学には明確な目標があったわけでもなくて、ただただ、田舎から出たかったんです。入ったのは千葉大学文学部文学科(当時)。キラキラのキャンパスライフを期待してたのに、入ってみたら何かが違う。そもそも、千葉大は都会にねーし!(笑)。周りには私と同じ、地方出身で受験を勝ち抜いてきた地味な子ばかり。仲良くなったのも、入学式で同じ列に並んだ女子4人だけ。今も連絡を取り合うほどの大学時代の友達って、千葉大ではその子たちぐらいです。
とはいえ、与えられた環境の中でいろいろやってはみたんですよ。教員免許も取ろうとしたし(単位が多すぎて手に負えないとわかり、断念)、当時はやってたスカッシュのサークルにも入ってみた(仲間内の雰囲気に乗り切れず退部)。おもしろくないなぁと思いながらも、とにかく授業には真面目に出てました。そんなとき、相方の光浦(靖子)さん(東京外国語大学卒)が早稲田大学のお笑いサークルを見つけてきて、それが芸能界への道に繋がったんです。
サークルの部室は早大にほど近い、古いアパートの一室。さえないお笑いオタクみたいな男子ばっかりなんですが、さすがに話は面白いし居心地がいい。私たち女子は「なんだこの不細工な男どもは?」って思ってましたけど、向こうは向こうで「あーあ、ぱっとしない女子ばっか!」って。お互いを下に見てました。
で、たまにちょっとかわいい子が見学に来ると、男子、色めき立つ、みたいな。馬鹿でしょう? でもそれが楽しくて。しょっちゅう、千葉から早稲田まで通いましたよ。交通費もかかるし、顔を出せば必ず飲みに行くことになるから、アルバイトもしました。オシャレにお金を費やしたことはなかったけど、人付き合いにはいそしんでましたね。
私って、いつも何かしら保険を掛けるんです。売れるまではOLを掛け持ちしてましたし、あっちが駄目だったら、こっち。道筋は一本に絞らない。決断力がないんです。そんな私でも大学に行ってよかったなと思えるのは、学生という身分の間に、見通しは立たないながらも、あれこれ探り続けた日々があったからだと思います。
おかげで「まあ何とかなるもんだ」程度の自信は持てるようになって、誰かに引導を渡されたり、結論が出てしまったりするまで、自分からは諦めない。今も仕事をする中で「大卒だから」っていう扱いを受けると「お笑いやってる大久保さん」以外の部分をくんでくれる人がいる、そのありがたさを感じますね。そうそう、クイズ番組では「高学歴芸人」枠に入れてもらえますしね(笑)。(構成/浅野裕見子)
※AERA 2017年8月28日号