●おひとり様にも最適
IT関係のフリーランス、高橋光さん(48)の旅の友は3匹のチワワたちだ。かつてはテントキャンプをしていたが「犬たちとストレスなく出かけられる設備が欲しくて」5年前にキャンピングカーを購入。愛車はバンテック社のZiL NOBLEだ。「後部ベッドが犬たちのフリースペース。運転中は危険なので簡易ケージに入れています」。車内にはペットシーツや洗剤、テーブルには犬用のグルーミングキットがいっぱい!
「自分の世話より、犬の世話(笑)。それでもキャンピングカーに乗るようになって、SNSなどで友達も格段に増えました」
一人暮らしの自営業は自宅が職場。キャンピングカーなら思いついたときにふらりと出かけて、簡単に気分転換ができるのが嬉しい。
「近場の河原でぼんやりお茶飲んだり、行った先のおいしいもの探したり。なかなか充実してますよ」
キャンピングカーは「動く家」。ライフスタイルの変化に合わせて、住み替えるようにキャンピングカーを買い替える愛好家は多いが、なんとトレーラー「追加」で対応した猛者があらわれた。
東京都瑞穂町の森田裕介さん(41)の愛車はハイエースベースのバンコン。最大4人寝られる仕様だが「子どもが大きくなって、手狭に」。実は森田家、少々複雑な家族構成で妻のきよみさん(41)とは再婚同士。20歳になる長女と14歳の三女は裕介さんの、16歳の次女はきよみさんの子ども。そして4歳になる結愛ちゃんがいる。「年頃の娘たちを連れての再婚でしたから、家族が少しでも仲良くなれるようにと思って」キャンピングカーを購入。最近は全員そろうことも少なくなったが、それでも機会を見つけては遊びに出かけるという。
「大きい車に買い替えようかとも思いましたが、元々ハイエースのカスタムカーが好きなので、手放したくなくて……だったらトレーラーを引っ張れば?というアドバイスをもらって、挑戦することに」
手に入れたのは中古のフランス製トレーラー。牽引免許不要サイズ(車体重量750キロ以下)で、4人が就寝できる。
「せっかく『増築』したので、夏休みには長野へ家族全員で行こうかと計画中です」
●保有台数10万台突破
キャンピングカービルダーや輸入ディーラーなどで作る一般社団法人日本RV協会(JRVA)は今年6月26日、「2017年度キャンピングカー業界の動向調査」として、国内のキャンピングカー総保有台数が10万台を突破、売上金額も過去最高の約365億円を超えたと発表した。この数値は、JRVAに所属するキャンピングカー事業者が昨年出荷および輸入した総台数5364台にそれまでの保有台数(推定9万5100台)を足し、廃車台数118台を差し引いて見積もった数値(約10万400台)。車種別にみると、比較的高額商品の多いキャブコン、バスコンが減少、普段使いと兼用しやすいことで人気のバンコンが増加しているという。JRVA事務局長、矢久保達也さん(47)に聞いた。
「昨今、人気が上昇しているのは、キャンピングカーの中でもバンコンタイプ、そして機能を絞り込むことで価格を抑えた『8ナンバー以外』と呼ばれるカテゴリーです」