ずっとプロ野球選手になりたかった。取材中も、少しだけ声を弾ませたのは高校野球の話題。
「母校がセンバツのベスト8に進んで」 興味があることは、ほかにもたくさんある。自身が映画に携わっていなければ、
「年間1本くらいしか観ていなかった自信があります」
とも。いま多くの映画を観るのは、映画に対して無責任なことをしたくないからだ。人前に立つのだから、ちゃんと背景を把握したうえで表現したい。
「世界の映画はどれくらいのレベルにあるのか、過去に日本映画はどのような道をたどってきていまがあるのか。当然のように考えます」
何より、映画には精神的に支えられた。
「映画の可能性を知ってしまった以上、映画に救われた以上、僕が信じる場所でやれたら面白いな、という感じですね」
映画の力に引き寄せられ、物語のなかにいるのが当たり前のようにスクリーンに存在している。(ライター・古谷ゆう子)
※AERA 2017年5月15日号