まあ、ご当地アイドルは解散しても「負の遺産」は残りませんが、日本全国、この負の遺産が建物となって存在しており、その維持管理で地方財政が疲弊していく現実があります。
散々批判してきたふるさと納税もようやくその問題が気づかれ始めたようですが、結局その地方の競争力を税金でドーピングしているだけですから、いざドーピング(補助金)がなくなれば一巻の終わり。自力でしっかりマーケティングをしてきたほかの地方の商品に市場では全く太刀打ちできないという悲しい現実が待っているのです。
ひところもてはやされたB級グルメやゆるキャラも、今やビジネスになっている県なんてどこにもありません。そもそもみんながやるからやるという時点で、ビジネスとしては失格。
しかし補助金は前例があることに、みんながやっていることに出ていくわけです。そこに、人材という貴重な地方資産を投下し、無駄な作業をさせる。そうした人的資本の損失を見過ごしてはいけないのです。
※AERA 2017年4月17日号