傘を持たずに出かけたらいきなり雨、薄着で出かけたら肌寒い……。「予報が外れた!」と憤慨する前に、天気予報の正しい見方や活用の仕方を知ろう。
ニュースの天気予報に必ず登場する天気図。毎日のように目にしているが、見方はいまいちわからないという人も多いのではないだろうか。
天気図に引かれている線は「等圧線」と言う。同じ気圧のところが線で結ばれており、周囲より気圧が高いところが「高気圧」、低いところが「低気圧」だ。高気圧は雲がなく晴れることが多く、低気圧のある場所には雲ができ雨が降ることもある。
「天気図の見方のコツは、パッと見て低気圧や高気圧に存在感があるかどうかを感じ取ることです。存在感というのは、具体的には等圧線の混み具合ですね」
TBSの情報バラエティー「ひるおび!」で気象情報を担当する気象予報士の森朗さん(56)は言う。
等圧線の間隔が狭いと、高気圧から低気圧に向けて強い風が吹く。中心付近の風速約17m/s以上の台風が天気図に現れると、等圧線の間隔が狭すぎて真っ黒に見えることもある。
冬は日本列島に等圧線の間隔が狭い縦じま模様が入る。西の大陸には高気圧が、東の海上には低気圧がある「西高東低の気圧配置」となり、大陸から海へと冷たく乾燥した風が吹く。これが冬の季節風だ。
●予報は根拠が大事
天気図に現れる鉄条網のような線は「前線」だ。前線には、半円のついた「温暖前線」、三角形のついた「寒冷前線」、半円と三角形が同じ方向に交互に並ぶ「閉塞前線」、半円と三角形が逆方向に互い違いに並ぶ「停滞前線」の4種類がある。
前線は暖かい空気と冷たい空気の境目にでき、前線上には雲ができて雨が降りやすい。「温暖前線」からは比較的穏やかな雨が、「寒冷前線」からは比較的激しい雨が降る傾向にある。梅雨や秋雨などの長雨は「停滞前線」によってもたらされる。
台風の進路上にいくつか存在する白い円は、「予報円」と呼ばれており、この円内に台風の中心が来る確率は約70%だ。また、赤い円で示された場所は、平均風速25m/s以上の暴風域(今後の進路上にある赤い線で囲まれた場所は「暴風警戒域」と呼ばれる)、黄色い円で囲まれた場所は平均風速15m/s以上の強風域となる。
「テレビの天気予報を見るときは、気象キャスターが話す『なぜ、この天気予報を出したのか』という根拠の解説をよく聞いてほしいです」(森さん)