ユニークな人事制度を導入する会社が増えている(※イメージ)
ユニークな人事制度を導入する会社が増えている(※イメージ)
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 労働人口が減るこれからの時代にむけ、ユニークな人事制度を取り入れる企業が出てきた。背景には、会社と社員の関係性の変化もあるようだ。

「これ、よかったら使ってもらえない?」

 IT企業「カヤック」の橘俊明さん(25)が就職活動中の大学4年生に渡したのは、名刺大のカード。同社が発行する、その名も「ファストパス」だ。これをもらうと、就活の第1関門、書類選考を免除される。

 橘さんは人事部員ではない。ソーシャルゲームなどを企画するが、社員の採用にも一定の裁量を持つ。この日も地元・関西で、多くの大学生と会っていた。

 カヤックはウェブコンテンツの制作などを請け負う。同業他社がひしめくなか、いい社員を集めることが、いいコンテンツを生む秘訣だ。2014年夏、「ぜんいん人事部」のコンセプトを掲げ、全社員に「いい人がいたら渡すように」とファストパスを配った。1年半で1700枚が使われている。

 だが、そもそも採用を人事部以外の社員に任せて大丈夫なのだろうか?

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