世界的に見れば決して高すぎることはない?(※イメージ)
世界的に見れば決して高すぎることはない?(※イメージ)
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 ここ数年だけでも着実に増えている税負担。世界的に見れば決して高すぎることはないようだが、国民の不満は単純な「重い」「軽い」にあるわけではないようだ。

 財務省が公表している「国民負担率」という数値がある。国内で生み出された経済的な成果の総計である「国民所得」に対し、税や社会保障の負担がどれだけ占めるかを示す。2015年度は、過去最高だった前年度をさらに0.8ポイント上回って43.4%に達する見通しだが、それでもOECD加盟33カ国内で上から27番目(12年度)。日本は世界では「低負担社会」なのだ。

 アエラ読者103人に向けて行ったアンケートでも、「ほかの国に比べれば負担は軽い」という意見も目立った。ただ当然ながら、誰もがグローバルな視点でものを考えているわけではない。

「欧州と比較をすると率は低いが、個人的な支払いの額は、毎月重い負担となっている」(20代女性)
「総支給額と手取り額のあまりの違いに愕然」(50代女性)

 こんな見方が根強いのだ。アンケートでは、高負担高福祉の社会を望む声も大きかったが、これを「より多くの負担を望む声」と見てはいけない。

「高負担低福祉になっているから許せない」

 50代男性がこう答えたように、回答には、負担に見合ったサービスを受けられていない、という不満がにじんでいた。

 東京都内のデザイン会社に勤める45歳の女性は、夫に内緒で株の利益を上げ、2年間で90万円ほどを家計にもたらした。

「利益から20%も税金で取られてしまうけど、負担はしかたない気もするんです。でも、払っただけのものは、かえってこないと思う。複雑ですね」

AERA 2015年9月21日号より抜粋