この女性に限らず、格安なツアーも多く、混雑も少ない平日に家族旅行を、という親は多い。でもそれだけの理由で、堂々と学校を休ませるという親は少数派のようだ。

 都内に住む専業主婦の女性(38)の小学3年生の息子のクラスでは、昨年の夏、カンボジアへの家族旅行のため夏休みの後も数日休んだ子や、夏休み前にフライングしてシンガポール旅行に出かけた子もいた。

 この女性も、8月の最終週に5泊6日のハワイ旅行に出発。夏休みを1日はみ出して帰国したため、息子は学校を休んだが、その理由を堂々とは言えなかった。

「やっぱり、ちょっとズルい気がして…。担任の先生には、家庭の都合でと言いました。子どもにも一応、口止め。まあ結局バレちゃうんですがね」

 ただ、カンボジアに行った家庭は、クラス全員に遺跡のお土産を配った。担任にも正直に話したところ、「ぜひ海外でいい経験を」と積極的に送り出してくれたと聞いた。「リゾートへの旅行」では気が引けるが、世界遺産を巡る、日本ではできない体験を海外でするなど、子どもに「プラスα」の学びがあるなら、抵抗感も薄れるようだ。

AERA 2015年5月4日―11日合併号より抜粋

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