コピーライターや作詞家など、様々な分野で活躍する糸井重里さんは、自身の経験から、今の40代に次のようなメッセージを送る。

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 僕ら団塊の世代に対して、いまの40歳は団塊ジュニア世代。「食いっぱぐれることがない時代」を生きていることをもっと利用したほうがいい。地面にたたきつけられたって大抵はスポンジがあるんだから、もっと円から飛び出してほしい。起業家やNPOの人たちを見ているとその芽が出てきたと感じるけど、もっと自由に活躍する人が出てきてほしい。団塊には「食う」ために自由になれなかった人も多いけど、団塊ジュニアはもっと幅広く、「仕事はホワイトカラーばかりじゃない」ってことにも目を向けてほしいね。

 ワクワクすることが見つからない人には、ひとつだけアドバイスがある。「絶対にやりたくないことからは逃げる」と心に決めること。これは逆説でもあって、「絶対に」が付かない程度の、文句を言いながらやれることなら、逃げずにやり遂げろということ。そうしているうちにワクワクが見つかるから。

AERA 2014年6月9日号より抜粋