国の無駄遣いを点検する昨秋の行政事業レビュー(秋のレビュー)。そこで低い評価を受けたものは予算から外されたりするのだが、どういうわけか、その後の補正予算で復活するパターンがある。

 厚生労働省が2006年度から進めている「地域若者サポートステーション(サポステ)事業」もそのひとつ。仕事にも学業にもつかないニートと呼ばれる若者たちの就職支援が主な内容で、地域のNPOなどに委託する。秋のレビューで「有効とは言いがたい」などとされ、14年度予算では事業費がゼロに。だが、補正予算で要求額の8割が計上された。

 静岡県浜松市。中心部にほど近い市立勤労青少年ホーム内に、「地域若者サポートステーションはままつ」がある(4月1日により中心部に移転予定)。総括コーディネーターでNPO職員の久米典子さんによると、1日に20人前後が予約をして相談に訪れる。

「メンタルな問題があるとか、引きこもっているとか、背景に発達障害があるとか、専門家ではないと対応できない利用者がほとんどです」

 昨年度(12年度)は進路決定者が115人で、今年度は150人を超えたという。

 JR浜松駅近くの繁華街に立つビルには、「浜松市パーソナル・サポート・センター」が入る。市から委託されたNPOが、15歳以上の市民を対象に就労や生活を支援する。小林雄二センター長によると、10年度の事業開始以降、500人超が利用。引きこもりの人などのため、職員が自宅などを訪問する「伴走支援」もしているという。

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