今年1月、東北地方の外資系化学メーカーに転職した男性(54)の場合、前職の大手電気機器メーカーで工場の製造部長まで務めた経験を持つ。商品開発、設計、マーケティングなどの担当を経て、インドネシア工場での新規ライン立ち上げも手掛けた。順調なサラリーマン人生だったが数年前、会社が若手登用を中心とした人事制度に切り替えた。五つ以上も年下の部長に「一兵卒」として仕えることになった。転職が、リアルな選択肢として浮上した。

「65歳の定年までは10年以上ある。別の人生を送るなら、もうひと働きできそうないまが最後のタイミングかもしれない」

 転職を具体的に考え始めると、いくつものオファーがあった。その中で、最も大きな部門の生産責任者を任せてくれるといういまの会社を選んだ。入社して気づいたのは、日本の大手メーカーで経験を積んだ同年代の転職者が多いこと。

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