「LINEはネット掲示板よりも知っている顔が多く閉鎖的で、他者に見つかりにくい。特に中学生は使い方を理解しないままクラスや学校全体など広い範囲のグループを作ってしまうので、傍観者が多く、自分でも意識しないうちに観衆や加害者になっているということも容易に起きる。罪の意識が低い割に、被害者の傷つきや動揺が大きい。高校生になると知的な生徒は曖昧な言葉で悪口を書くようになり、証拠がつかみづらく被害者は喧嘩もできない状態になります」
LINEに関する相談が昨年の10倍のペースで増え続けていると話すのは、全国webカウンセリング協議会理事長の安川雅史さんだ。相談の中には、夏休みの家族旅行中に返信ができなかった高校3年生の男子生徒が、LINEのグループで「感じ悪い」「死んだんじゃないの」と言われ、教室の机の上に花が供えられた「葬式ごっこ」や、高校1年生の女子生徒が彼氏に送った上半身裸の写真をクラス全員にばらまかれたというケースもあった。実際にLINEを通じて知り合い、児童買春や恐喝、詐欺などの事件に発展するケースは後を絶たない。
※AERA 2013年12月9日号より抜粋