わが国で暮らす外国人は現在、200万人を超す。異国からやってきて、島国の風土や人情にふれることで見える姿がある。
イラン人でタレントとして日本で活躍するサヘル・ローズさんは、日本での経験などを次のように話す。
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母と、知り合いを頼って8歳で埼玉県に来て、地元の小学校に入学しました。日本語をしゃべれない私に、校長先生は、校長室でマンツーマンで日本語を教えてくれました。金銭的な事情などから、一時ホームレスになってしまったときも、給食のおばちゃんが「困ってるんでしょ」と言って、アパートの保証人になってくれ、夕飯の差し入れまでしてくれた。いくら感謝してもしきれません。
何の見返りもないのに、人助けをするのは日本独自のメンタリティーでしょう。
でも中学時代はいじめにあってつらかった。「イラン人はいらん」と言われたことも多々あります。大勢で徒党を組んで特定の人をいじめる点で、日本のいじめは他の国と違います。
でも、そうした特質は協働して何かをやり遂げる「ものづくり」や「研究」の分野ではプラスに働いている気もしますね。
私がここまで来られたのは日本のおかげ。その私でさえ、日本に感じるのは「自信がない」ということです。困った人に無償で手を差し伸べたり、あらゆる所に交番があって治安がよかったり。誇るべきものは、本当にたくさんあるはずなんですけどね。
※AERA 2012年12月31日号