12月14日、米コネティカット州の小学校で起きた銃乱射事件。6、7歳の子ども20人を含む26人が射殺されるという惨事にもかかわらず、事件直後、全米の銃の一日当たりの売り上げは過去最大の伸びを示し、売れすぎて在庫を隠す小売店もあった。子どもをかばおうと教室に駆け込み殉職した小学校校長について、「彼女が対人殺傷用銃器を持っていたら」とゴーマート下院議員(共和党)が話すように、銃の購買は自衛目的だからだ。

 日本人は「銃がなければ、銃撃事件も起きない」と考えるが、米国人は異なる。アメリカ合衆国憲法修正第2条が「武器を保有する権利」を保障するのは、「国家の安全保障にとって必要」だからだ。安全のために武器を保有する権利を失うべきではない、というのが銃擁護派の主張だ。

 ところが、今回は小さな子どもが犠牲者だったため、これまでにないほど銃規制への論議が高まり始めた。

 オバマ大統領は

「朗報はある。米国人の多数が軍用対人殺傷用銃器の流通に反対している。悲劇を繰り返さないため、あらゆる力を行使する」

 と、初めて規制に本腰を入れることを発表した。

AERA 2012年12月31日・2013年1月7日号

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