新型コロナウイルスの影響で、ついに「夢の国」も臨時休園が決まった。安倍晋三首相は、全国の学校に臨時休校を要請している。遊園地や博物館などの臨時閉園が相次いでいて、子どもたちの行き場がなくなっている。
感染はいまも広がりつつある。60人超の感染が確認されている北海道では、鈴木直道・知事が2月28日、緊急事態を宣言した。会見で鈴木知事は、この週末は外出を控えるよう呼びかけた。
「この週末はできる限りの外出を控えてもらうことで、患者数の伸びをできるだけ少なくしたい。危機的状況のなかで、大人も外出を控えてもらいたい。国には経済への影響を含め、緊急要望をしたい。この1、2週間がまさに勝負です。ワンフレーズで、『外出を控えて欲しい』ということをみなさんに伝えたい」
テーマパークの休園も相次ぐ。オリエンタルランドは2月28日、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを29日から3月15日まで臨時休園すると発表した。「夢の国」として子どもたちの人気を集めている東京ディズニーランドが、感染症対策のために長期間休園するのは、1983年の開業以来初めてだという。チケットの購入者には、種類に応じて返金したり有効期限を延長したりして対応する。
オリエンタルランドによると、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーでは、社員が約3400人、パートやアルバイトらの準社員が約1万9600人働いている。休園期間中は社員は出勤し、準社員は規定に基づいて補償をするという。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)も2月28日、29日から3月15日まで臨時休業すると発表した。こちらも、感染症対策のための長期間休業は、2001年の開業以来初めてだという。チケットの返金などの取り扱いについては、公式サイトで説明する。
USJによると、パーク内で働くクルーは約9千人いる。休業中の給料の扱いについては検討中だという。
ほかにも東京国立博物館が、2月27日から3月16日まで休館する。動物のはくせいなどが展示されていて、子どもたちも楽しめる国立科学博物館も2月29日から3月15日まで休館する。子どもたちが行けるような施設の臨時休館は、今後も広がりそうだ。
背景には、国が子どもたちに事実上の「自宅待機」を求めていることがある。安倍首相が全国の小中高校などに3月2日からの休校を要請したことを受け、萩生田光一文部科学相は2月28日に会見。子どもたちには自宅にとどまり、家庭学習をするよう指導しているという。
「臨時休業の実効性を担保するため、児童・生徒に対し基本的に自宅で過ごすよう指導するとともに、子どもたちが不要・不急の外出をしないよう関係省庁に協力を求めていく」