新型コロナウイルス感染症が全国に広がっている。東京、神奈川、和歌山、熊本、北海道、千葉、埼玉などで10歳未満を含む感染者が相次いで見つかり、国内発生は110人以上、横浜港に停泊中のクルーズ船に乗船していた感染者を合わせると740人以上となっている(22日現在)。
そんな中、風評被害を懸念する声が続々と寄せられている。和歌山県は県内のコロナ感染者が12人になったと発表。最初に感染したとされる済生会有田病院(同県湯浅町)の医師と入院患者ら8人、有田病院の患者と同じ病室に入院していた60代男性らと被害が拡大。湯浅町幹部がこう語る。
「もう湯浅町はパニック状態ですよ。有田病院では2人の医者の感染者を出し、そこから患者へ感染が広がったため、感染の巣窟のように報道された。病院の医師や職員、患者らに取材が殺到。さらに最初に感染した医師は和歌山市内の病院でも勤務していたので、濃厚接触者は病院の医師と患者となり、院内感染の恐れもあると大騒ぎになった。しかし、メディアにはもっと冷静に報道してほしい」
有田病院は2月16日付で報道陣に風評被害を訴える文書を出し、院内の状況を公表。だが、なかなか騒動は収まらないという。
最初に感染した医師らは海外渡航などはなく、ルートは不明とされているが、湯浅町は最近、中国人の観光客が増えていたという。
「有田病院の前にモーテルがあり、中国からの旅行者専用になっていた。和歌山県内にある白浜も中国人に人気で、宿泊代が安い湯浅町に宿泊して足を伸ばす人も多い。感染者が和歌山市内の中国系クラブに出入りしていたという話もある。感染源を追うのは難しい。最初に発覚した時は町中を探してもマスクがないとパニックになった。しかし、政治家が動いてくれてすぐに届いた。病院で手伝いをしてくれているヘルパーさんらにもコロナウイルスがうつっているかもしれないと心配しています。すでに発熱している人もいて検査結果が怖いです」(同前)