テレビ版鬼滅の刃(c)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(c)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(c)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 週刊少年ジャンプ連載の大人気漫画「鬼滅の刃」の勢いが止まらない。

【写真】『鬼滅の刃』のオープニング曲「紅蓮華」を歌うLiSA

 ある出版関係者はこう話す。

「今ではジャンプの看板の一つになったといっていいと思います」

 原作は2016年より連載されているが、昨年4月からテレビアニメが放送されるとその人気は爆発的に加速、コミックスの累計売上推定部数も、アニメ放送前の約6.5倍にふくれあがったという。アニメ主題歌を歌うLiSAは「紅白歌合戦」に初出場し、劇場版の公開も予定されている。

 作品は、大正時代を舞台に“人喰い鬼”に家族を殺され、残った家族であるが鬼にされてしまった妹の禰豆子(ねずこ)を人間に戻すため、主人公の少年・炭治郎が鬼を討伐していくというもの。

 批評家で早稲田大学文学学術院文化構想学部の石岡良治准教授は、この作品について、まず近年の人気作品の流れを汲んでいることを指摘。「進撃の巨人」「東京喰種」「亜人」など人間の捕食者と戦う、少し残虐な要素を持つ特徴というのがこの作品にもみられる。ただ、敵である鬼の事情も丁寧に描くことで、女性や子どもが苦手なグロテスクすぎる描写は抑えてあり、一方で、必殺技を繰り出す描写には、「少年ジャンプ」の歴代の王道バトル物に共通するような、ケレン味あふれる大ゴマを使った描写を用いているところも魅力のひとつだという。

 男性のみならず、女性ファンも多いというのがこの作品のひとつの特徴だ。石岡さんは、それについて次のように分析する。

「ヨーロッパと和のテイストをうまく混ぜ、近代の闇を描き出している。“幻想上の近代日本”とでもいうべき舞台設定には、泉鏡花の幻想文学のような空気も漂う。それを華麗なビジュアルで展開することによって、女性ファンにも人気が出たのだと思います」

「ジョジョの奇妙な冒険」の第1部・第2部、「るろうに剣心」あたりの作品の雰囲気も漂うと石岡准教授。また、アニメ版の人気には、制作会社ufotableの力も大きいという。

「ufotableは男性向け作品を女性向けに展開することも得意で、ティーン層にも訴求力のあるスタジオです。今のアニメファンは、制作スタジオや監督で作品を見る面もあります。人気スタジオのアニメとのメディアミックスによって、作品の魅力により多くの人が気づいたというところではないでしょうか」

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過去のジャンプ作品と類似性が若い層には新鮮?