同じくドラマ評論家の田幸和歌子さんも、ディーンの魅力について、
「その舞台に一気に無国籍感が出るところ」
と語る。
「今はドラマにリアリティーや整合性を求める時代でもあり、そのぶんドラマが“小さく”なってしまう傾向があるんです。そんななか、ディーンさんが現れると、そこが現代の日本であっても、時代や国も超えてしまうような存在感が生まれるんです」
田幸さんは、ディーンの「動き」にも注目する。
「必要以上にキレがあるんです。うるさくない動きでありながら、ひとつひとつの動作に音が聞こえる。どこか茶の湯の所作に通ずる部分も感じます。上品さ、優雅さが、おもしろさに転じるところもある。一挙手一投足に引き込まれる、ディーンさんを鑑賞するドラマですね」
月曜夜9時はしばらくの間、ディーンウォッチを楽しむ時間になりそうだ。(本誌・太田サトル)
※週刊朝日 2019年11月1日号