だが、心配なことがある。新天皇の次の世代の皇室の男性は悠仁さま一人しかいない。ほかは、数が多くはないが、すべて女性である。女性宮家を認めないと、皇室が消滅してしまう恐れがある。
日本人にとって皇室はなくてはならぬ存在で、安倍首相もそのことはもちろんよくわかっているはずだ。
だからこそ、令和になれば、そのことの審議を始めることになっているのである。
そして、女性宮家の審議を行うということは、当然ながら議論は女性天皇にまで及ぶことになる。
明治以前には8人の女性天皇が実在していたのである。明治以降、女性天皇が登場しなくなったのは、天皇は「陸海軍を統帥する」大元帥であり、女性は兵役に就けなかったからであった。
今、自衛隊には女性も参加できる。
それに、現憲法で男女同権となり、女性の参政権が認められたのである。
現憲法が発布されるまでは、女性は選挙権も被選挙権もなかったわけだ。
男女同権になったからには、女性天皇、いや女系天皇を否定する根拠はなくなる。
少なくとも、女性宮家、そして女性天皇についての審議を引き延ばさずに行うべきである。
国民の多くは、それを求めているはずである。
※週刊朝日 2019年11月1日号