僕、ちょっと疲れてくると、すぐボケッとした顔になっちゃうんですよ(笑)。だから目つきや言葉遣いは、なるべくプライベートから意識するようにしていました。それで普段から目を細めたりしてると、キンプリのメンバーから「紫耀、なんか今日、機嫌悪いの……?」とかって心配されちゃったりして(笑)。メンバーと話してるときも、「しかしさ」とか「だが」とか、普段の会話の中では使わないけど、役で使うフレーズがふっと出てくることもありました。

 演じる中で、自分なりに工夫した点もあります。僕の中で、天才で頭がいい人って、どちらかと言うと早口なイメージがあって、ベースを早口にしました。隙がない印象の役なので、常に背筋をピンとしてるとか。あと、僕は筋肉質ですけど、白銀はひょろっとしてるイメージだったので、「これ以上筋肉つけないように」と心がけていました。学ランもジャストサイズで作っていただいて、本当にぴったりのサイズだったので、ちょっと筋肉がつくと入らなくなりそうだったんです。

 それと僕、基本的に、片方でしかご飯を噛まないという癖があるんですよ。だからもう片方の頬がなかなか上がらなくって。それが悔しくて、家に帰ってから、普段は噛まないほうで、ひたすら煮干しを食べて、トレーニングしてました(笑)。そうやって一つひとつ、「こうしたほうが世界観に近いかな」と試しながら演じるのは楽しかったです。

──映画「honey」(2018年)や「ういらぶ。」(同)など、主演を務める作品の役柄は、“俺様”系の役が多い印象です。

 僕も何で俺様な役が多いのかなって不思議なんですよね。普段の僕は、そんなに俺様じゃないんだけどな……って。演じるのは楽しいし、ありがたいなと思いながらやってるんですけど、自分の中には俺様な部分がない分、演じる難しさがありました。

 俺様系の役が続いたときに、「いかに前の俺様と違う俺様にするか」という悩みもあります。俺様キャラがかぶってくると、引き出しがなくなってくるんですよ(笑)。僕のファンの方々は、もう何作品も俺様キャラの僕を見ているはずなので、「これ、前の作品のときとキャラが一緒じゃない?」とか思われないようにしなきゃ、と演じ分けるのも、僕の中での一つのミッションでした。だけど最終的には、作品ごとの役になり切れば、キャラクターが似るということはないと信じて、今回も演じ切りました。

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