鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
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※写真はイメージです (Getty Images)
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 放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回のテーマは「あおり運転」。

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 あおり運転問題。僕は免許を持っていないのだが、遠距離移動も多いので、移動車をドライバーの方に運転してもらっていることが多い。そんな中、先日、映画の撮影で御殿場に行ったときのこと。

 僕の車はワゴン。撮影場所である林の奥に車が進んでいくと道は砂利道。正直、ドライバーはかなり気をつけて運転しているようには見えた。すると、反対側から犬の散歩をしていたおじさんが、運転席の窓ガラスを強くたたく。おじさん、めちゃくちゃ怒っている。「お前の車よ、砂埃、めちゃくちゃ立ってんだよ。わかんねえのか? 迷惑なんだよ。撮影か? 今から役場に行って、撮影できないようにしてやるからな!!」。かなりキレ気味だった。僕の目には、ドライバーの運転は悪いようには見えなかったが、おじさんのモラルの合格点には遠く及んでいなかったのだろう。正直、あんないきなりトップスピードで怒らなくてもとは思ってしまった。

 その帰り。今度は東京に戻ってきて、とても道が混んでいた。赤信号で車を止める。すると、後ろの軽トラックからヤンキーっぽいお兄さんが降りてきて、運転席の窓ガラスをたたいて叫んだ。「あおり運転してんじゃねえぞ、こら!! てめえ」と。どう考えてもあおり運転はしてなかった。なのに、めちゃくちゃキレている。「てめえ、あおってんじゃねえぞ!!」と、ずっとキレている。運転があおってるように見えたのか? いや、絶対違う。あるとしたら、僕の1台後ろの車だ。軽トラはその後ろにいたからだ。間違えて僕の車に文句を言いに来たのだ。運転手が窓を開けようとしたので「開けるな!!」と言った。1日2回も絡まれるドライバー。なんだろう? そういう人が増えたのか?

 実は、2年ほど前にも、そのドライバーは、街中で絡まれたことがある。ちょうど僕が会議に出ていて、車から降りたあと。環七を運転していて、そのときは右の車線に入ったのだが、少々、割り込み感はあったらしい。それは認めている。

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