「NHKをぶっ壊す」。ただその一言を響かせ、“躍進”している。わけを尋ねると、こともなげに男は言った。
「党が急速に大きくなったとは思っていません」
参院選比例区で初当選を果たした「NHKから国民を守る党」(N国)の立花孝志党首。
日本維新の会を除名になった丸山穂高衆院議員が入党を決め、渡辺喜美参院議員と新会派「みんなの党」を結成。4月の統一地方選では当選26人。何かと話題な新勢力だ。
立花党首が提言する「ワンイシュー」は、受信料を払った人だけがNHKを視聴できるようにする「スクランブル放送化」。
無所属だった新潟県魚沼市の大桃聰市議は昨秋、N国に入党した。
「今、党に勢いがあるのは、NHK批判の民意があるからですよ。地方議員がNHKの問題をどうしようというんだという批判がありますが、地方でも監査請求の動きがありますし」(大桃市議)
と語ったうえで、こんな党首観を示した。
「立花はNHK職員だったので、実はNHKが大好きなんですよ。スクランブル放送をやればNHKがうまくいくんじゃないか、という考えが根底にあるんです」
しかし「戦争発言」で批判を浴びた丸山議員の入党など、党内に反発はないのだろうか。