林:すごい話ですね。先生のお話を聞いてると、この宇宙って誰がつくって一体どうなっているのか、果てがない世界っていったい何なんだろうって、つくづく考えちゃいます。
本間:それはある種、哲学なんですけど、アインシュタインは数式で宇宙を説明したわけですね。数式で説明できるというのは、誰かがそういうふうにセットアップしたわけですよね。「それは誰ですか? 神様ですか?」っていう、答えがない問いにぶつかっちゃうわけです。人類、さすがにその問題には答えられないかもしれないですね。
林:誰だろう。神様か……。
本間:僕は科学者なので、「神様」はなるべく持ち出さないで、何かの理由があってそうなったはずだと考えてますけどね。
林:そもそも先生はなんで天文学をやろうと思ったんですか。
本間:やろうと決めたのは大学生のときですかね。3年のときに進路を選ぶんですが、宇宙っていちばんスケールが大きいじゃないですか。それで宇宙に非常に魅力を感じて、「じゃ、宇宙の研究をやるか」ということで。
林:子どものときお父さんに望遠鏡を買ってもらったとか、そういう経験は?
本間:それはありますね。星が好きだったので、小学生のとき親にねだって、のぞく望遠鏡を買ってもらいました。せいぜい庭でのぞく程度でしたけど、それでも月なんか見ると感激しました。ボコボコしたクレーターがいっぱい見えて、すごい世界だなと思って。
林:先生は東大ですけど、東大は毎年何人ぐらいの学生が宇宙の研究に進むんですか。
本間:大学院に入るのは毎年20人ですね。競争が厳しい社会なので、研究者としてちゃんと職にありつける人は3分の1ぐらいですかね。
林:論文を書いて、海外の学術誌に載せて認められていくんですね。
本間:そうですね。英語で書いて提出して、海外の研究会に行って発表したり。今は国際化した時代ですし、特に天文学は国境がないんです。宇宙が相手ですからね。世界とつながって研究するというのが、天文学も含めて自然科学のスタイルなので。