


漫画やアニメ、ゲームを原作とする舞台を、2次元と3次元の間という意味で“2.5次元”と呼ぶ。2.5次元ミュージカル『テニスの王子様』『刀剣乱舞』などで人気を集める一方、4月から東京・帝国劇場で上演されたミュージカル『レ・ミゼラブル』でマリウスを演じるなど、大作にも挑戦。三浦宏規さんは今、もっとも注目を集めるミュージカル俳優だ。
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──美しいダンスや身のこなしには定評がありますが、5歳からクラシックバレエをされているんですよね。
華やかなジャンプやリフト、ターンに憧れて、自分からやりたいと言いました。でも、バレエって“バーレッスン”という、すごく地道な基礎トレーニングをしなくちゃいけないんですよ。もちろん、基礎があるから技ができるわけで、今はそれがすごく大事だってわかるんですけど、当時はイヤでイヤで。でも本番は大好きだったんです。今でもそうです、と言ったら怒られるかもしれませんが(笑)。もともと目立ちたがり屋というか、表現することが好きなので、今の仕事ができているのは幸せなことです。
──役者は天職だと思いますか?
もし役者をやらなかったらと考えたりもするんですが、今のところ思いつかないので天職なのかもしれません。受験して、大学入って、就職して……という考えは最初からなかったですね。熊川哲也さんに憧れていたので、フェラーリ買うのが当たり前だと思っていたんです(笑)。フェラーリは、まだ夢の夢です。親は普通の会社員ですが、僕には人と違うことをしてほしかったみたいで、バレエのレッスン料も惜しまず出してくれて、一人っ子なのに14歳で東京に送り込んでくれた。すごく感謝しています。
──自分の性格については、どう思いますか?
ヘンだと思います。人懐っこい部分もありますが、人づきあいはよくなくて、食事に誘われても行かなかったり。面倒くさい性格ですね(笑)。
──好きな女性のタイプは?
4、5年前に聞かれたときは、「黒髪ロングの女性がいい」とか言ってたんです。浅いですよね(笑)。第一印象は大事ですけど、やはり性格ですよね。趣味を持ってて、一緒にいろいろ楽しめる子だったらうれしいです。
──最近のプライベートの楽しみは?
少し前まではゴルフの打ちっぱなしやバッティングセンターに通ったりもしたのですが、最近はすっかりインドア派になってしまって。住み心地のいい家にしたくて、掃除ばっかりしています。1日3回くらい掃除機かけたりして。前までは、ゴミ屋敷みたいだったのですが、今は遊びに来た友人とかに「きれいすぎて居心地が悪い」って言われます。これ、褒め言葉ですよね?(笑) でも、野球が好きで野球観戦とかには行ったりしています。
──現在20歳。20代の目標は?
あまり具体的な目標は決めずに、チャンスがあったらどんどん挑戦したいです。それから、物おじしない、落ち着きのある男性になりたいですね。「物おじしない」はクリアしてると思うんですが、落ち着きがないんですよ。『レ・ミゼラブル』の子役の子たちがすごく元気でかわいいんですけど、見ていて「あ、落ち着きがないってこういうことか」ってわかりました(笑)。もう20歳ですから、これからは落ち着きのある大人の男性を目指したいですね。
(朝日新聞出版・野村美絵)
※週刊朝日 2019年6月21日号