


芸能界の猫好きとして有名な、タレントのつるの剛士さんに「わが家の猫自慢」をしていただきました。
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結婚前から奥さんと飼い始めたのがスコティッシュフォールドの夢子。茶子は、そのあとわが家にやってきました。
高校時代からほぼ絶えることなく飼い続けてきた猫から学んだことは、たくさんあります。たとえば僕は「8割2割の法則」と呼んでいますが、猫が獲物を見つけたときの瞬発力ってすごいじゃないですか。でも、一日の8割は寝ている(笑)。ワーク・ライフ・バランスをごく自然に身につけているんです。人間に置き換えるなら、今日はここだけ頑張ればいいや、みたいな。そういった力の抜き加減を猫から教わりました。そんな生き方が羨ましいです。なるべく猫に近づきたい(笑)。僕にとって猫は“人生の師匠”です。人生哲学をたくさん教えてくれるんですよ。
猫からは、人間関係の距離感というものも教わりました。猫ってたまに甘えてくるけど、基本的にはつかず離れず。人間でいえば、彼女としては物足りないかもしれないけど、結婚相手としては理想的(笑)。
でも、それこそが長続きする秘訣だと思うんです。僕と奥さんもそんな距離感で尊重し合っています。
昨年、夢子が病気で亡くなりました。僕は、ペットが家にやってくると子どもたちに教えます。「ペットは人間よりも早く死んじゃうんだ。だから、たくさん思い出を作ってあげようね」って。毎日の暮らしや最期の瞬間を通じて、子どもたちも命の大切さを学ぶんですよね。
(文・犬飼華)
※週刊朝日 2018年12月28日号