そして根本匠厚生労働相にも複数の疑惑が出てきた。

 自民党福島県第二選挙区支部の収支報告書によると、14年から16年にかけて、秘書3人(公設第一、第二、私設)に対し、毎月5万円で車両を借り上げ、この代金を事務所費として計上していた。いわば「車手当」を公金で秘書に払っているのだ。ほかにも、同報告書によると、13年、直近の選挙で初当選した新野洋・二本松市長個人に対し、200万円を支出、また資金管理団体「匠フォーラム」の報告書によると、13年から16年にかけて、NHK受信料約10万円を組織活動費として計上していた。

 果たして、こうした支出に問題はないのか。政治資金規正法に詳しい、神戸学院大の上脇博之教授の解説。

「秘書3人に本当に車が必要なのか。実態があるものなのか疑わしい部分ではあります。しかも地元の団体で計上している。公設は、ほとんど東京にいる秘書です。どこで車を使い、ガソリン代、駐車場代はどうしているのか、不明な点が多い。一般論として秘書の間だと、裏金が作りやすい。またNHK受信料は事務所費で計上するべきで、組織活動費として計上しているとすれば、一般の家でも、組織活動になってしまう」

 新野市長個人に200万円を寄付していることについてはこう解説する。

「これは違法ではなく、政治資金規正法の抜け穴と言えます」

 根本事務所に質問所を送ったが、期限までに回答はなく、「収支報告書の記載通りで問題ない」と秘書が口頭で答えるのみだった。
また桜田義孝 五輪担当相が代表を務める資金管理団体の収支報告書には2012、14年、あわせて163万円を政見放送テレビ代として支出していると記載があった。

 助成金を選挙活動で使っていることを質問すると、桜田事務所からこう回答があった。

「政党助成金は本来、法律上使途に制限はありませんが、政見放送は候補者届出政党が行う活動であり、選挙制度改革により選挙や政治活動が政党中心に行われるため導入された政党助成金から支出することは、制度の趣旨に照らしても何ら問題ないと考えております」

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