田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数
田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数
この記事の写真をすべて見る
(イラスト/ウノ・カマキリ)
(イラスト/ウノ・カマキリ)

 ジャーナリストの田原総一朗氏は、第4次安倍改造内閣の課題を指摘する。

【この記事の画像はこちら】

*  *  *

 第4次安倍改造内閣がスタートした。任期は残り3年である。3年で終わらなければならない。常識的に言えば、こうした政権はレームダックとなる可能性が高い。だからこそ、中国の習近平国家主席など、少なからぬ権力者が任期を引き延ばしたり、終身制に変えたりしている。そして、レームダックとなる危険性を誰よりも強く感じているのが、安倍首相自身であろう。レームダック化しないためにはどうすればよいのか。

 最初の難関が沖縄県知事選であった。自民党・公明党などが推した佐喜真淳候補は、辺野古移設反対を強調した玉城デニー候補に惨敗した。自・公は、それこそ全力を投入したのだが、実ははじめから玉城氏の圧勝は定まっていたのである。

 玉城氏は、父親が沖縄駐留の米兵で母親は沖縄の女性、そして幼少期から苦労に苦労を重ねた。つまり、玉城氏自体が沖縄そのもので、沖縄の苦しみを抱えているのである。そのために、沖縄の、特に女性たちは、リベラルと保守を問わず、多くが玉城氏に投票した。

 さらに、沖縄は日米地位協定の大矛盾を背負わされていて、面積では日本全土の0.6%でしかない沖縄が、米軍施設のなんと70%以上を押し付けられている。これは沖縄県民にとって納得のしようがない。しかも米軍基地の大部分を押し付けておいて、そのことに本土の多くの人間は、関心を持っていないのである。そして、政府は強引に辺野古移設を進めている。これでは、政府側が知事選に勝てるわけがない。敗れて当然である。安倍首相は、沖縄問題をあらためて考え直すべきである。

次のページ