

米アップルの「iPhone(アイフォーン)」の新型が9月21日、国内で発売された。「XS(テンエス)」と「XS Max」で、全国のアップル直営店には多くの人が並んだ。東京・表参道の店には、雨が降りしきる前日夜から徹夜で行列ができていた。
【写真】新型iPhoneを並んで購入した男性会社員。その魅力は?
今回の新型は値上がりしている。直営店で一括購入した場合、上位機種「XS Max」は直営店で税抜き12万4800円から。昨年発売の「X(テン)」より1万2千円高くなった。
シリーズを重ねるごとに性能は上がるが、値段もアップ。今では高性能なパソコンや大型テレビも買えてしまう水準だ。熱烈なiPhoneユーザーからも、悲鳴が上がっている。
発売前日の午後8時から表参道の店に並んでいた自営業の男性(27)は、2010年からiPhoneを使い始めた。
「スマホといえば、iPhoneしかないと思っています。でも、この金額は懐に痛いですね。最近はアンドロイドを使ったスマホも性能が上がっている。これ以上高額になるのであれば、他社への乗り換えもありかなと思っています」
実際、スマホの国内出荷台数におけるiPhoneのシェアは減ってきている。
調査会社「MM総研」によると、スマホのメーカー別出荷台数におけるアップルのシェアは、14年度の56.1%をピークに減少傾向で、17年度は49.9%だった。同社の横田英明研究部長はこう分析する。
「高価格化で購入層が限られつつあるのだと思います。一方で、アンドロイドを使ったものは高価格なものからお手頃なものまで、さらに格安スマホもあり、シェアが増えています」
販売方法を巡っても状況は厳しい。iPhoneがシェアを伸ばした背景には、「実質0円」といった割引制度があった。しかし、総務省はこうした割引が通信料の高額化につながっていると問題視。携帯大手3社は見直しを進める。政府関係者はこう語る。