松原:公明党は先ほど述べたように、厳しい。

御厨:不可つけたほうがいい感じもありますが、Dマイナスで。立憲民主党は55年体制の社会党と同じ道を歩んでいる。なんでも反対で、政策については考えない。この前も不信任案を2時間以上かけて話したが、あれでは自己満足に過ぎないということに気づかないといけない。Dです。

松原:この中で一番仕事をしたのは、共産党。独自ネタをもってきた。Cをつけていい。

御厨:国民民主党は、外交安保は右派で、社会保障は左派の政策で行くと言っている。これは55年体制下の民社党と似ている。独自の政策を出していると見られるならいいけど、誰が見ても、自民党にすり寄っているようにしか見えない。与党から利用されるだけ。Dマイナスですね。

松原:日本維新の会は党利からカジノに賛成しただけで自民の補完でしかない。不可。

御厨:維新は次は消えているかもしれない。自由党は小沢一郎代表だけ。自由党もあってなきがごとし。不可。

松原:たまに野党党首と面会して最後の仕掛けをするという記事も出るが、それも「やるやる詐欺」ですね。

御厨:社民党は党首が辞めて今後どうするという話で党首がいなくてもやっていけると言っていた。党の体をなしていない。採点不能。

松原:日本のこころは、採点不能。

御厨:これからの政治は、2030年の日本はどうなのかきちんとした絵を描かないといけないが、描いていないし、努力もしていない。来年には天皇陛下が退位し、御代替わり、さらに東京五輪が開催されるというのに、次の時代像がほとんど語れていない。

松原:今はたまたま景気がいいからうまくいっている側面もあるが、それも2020年で潮目が変わる。人口が減り空き家が増える衰退の中でどうするのか。国会はリアリティーある議論をする必要があります。

(構成/本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2018年8月10日号より抜粋

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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