だが、繰り返し記すが、オンカロをつくる具体的な計画さえもないのだ。何代もの経産相にそのことを直接問うたことがある。誰一人答えることができなかった。実は、何度もオンカロをつくるための候補地を求めたのだが、どの県も“否”だったのである。
それでいて、原発の新設地など見つかるのか。
無責任といえば、高速増殖炉「もんじゅ」は、ほとんど仕事らしい仕事をしないまま廃炉となったのだが、「もんじゅ」についての総括をしないまま、政府は核燃料サイクルを構築すると決めているのである。
実は、自民党には、原発問題の責任者がいないのだ。
余計なことかもしれないが、私は何人もの自民党の幹部たちに、原発問題の責任者になるべきだ、と口説いた。あるいは私の口説き方が下手だったのかもしれないが、誰も引き受けなかった。やれば責任が重すぎると判断したのだろうか。
念のために記すが、私は10人以上の自民党の幹部たちに、これから原発の新設ということがこの国で可能なのだろうか、と問うている。可能だと答えた議員はいなかった。
それでいて、30年度には、原発が20~22%になる、つまり30基程度が稼働する、ということになっているのである。これを無責任と言わないのはおかしいのではないだろうか。
※週刊朝日 2018年7月27日号