警官ら2人死亡、犯人の男も重体(写真は提供)
警官ら2人死亡、犯人の男も重体(写真は提供)
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 富山市消防局によると、午後2時14分ごろ、県警から「奥田交番で40代男性が刺された」と通報があった。

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 刺されたのは、富山市久方町の県警奥田交番の稲泉健一警部補(46)。突然、男に刃物のようなもので刺され、拳銃を奪われた。稲泉警部補は心肺停止状態で病院に搬送されたが、死亡が確認された。

 男は近くの市立奥田小学校に逃げ込み、小学校にいた警備員、中村信一さん(68)ら2人にいきなり発砲。男はその後、小学校にグランドに逃げ込み、かけつけた警官が銃で応戦。

 その弾が犯人の男の腹部に命中し、取り押さえられたという。

 現場近くに住む目撃者はこう話す。

「銃声が5発か6発くらいした。警官が男を制止しようと大声で叫んでいた。そこへ銃声が続けて聞こえてきた。警官が撃った銃弾が男に命中したようだ。銃が盗まれた現場は小学校のすぐ近くの交番。現場はパトカー、救急車のサイレンがこだまして、小学校の子供たちは真っ青な顔をして、迎えに来た保護者が連れて帰っている。騒然とした様子です」

 撃たれた中村さんは心肺停止状態で病院に運ばれたが、死亡が確認された。

「撃たれた警備員さんがお腹を押さえ、うずくまり、血がポタポタと地面に流れていました。犯人の男は白っぽいシャツの若い男でした。シャツが血だらけで取り押さえられてた。学校の先生らが真っ青な顔で生徒らを誘導していました」

 犯人の男も左腹部を撃たれ、県立中央病院に救急搬送されたが、重体という。

 富山県警はその後、 富山県立山町の職業不詳、島津慧大(けいた)容疑者(21)を殺人未遂容疑などの現行犯で逮捕したと発表した。

「島津容疑者は陸上自衛隊金沢駐屯地に一時期、在籍。地元の新聞で2015年に入隊予定者と紹介されたこともある」(関係者)

 今のところ、小学校の児童らにけが人は出ていないという。

 白昼の惨劇に目撃した住人らは「こんな場所で銃撃戦になるなんて…」と言葉を失っていた。(今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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