「名前があったので、申し訳ありません」(男性)

「でも、私は朝鮮学校のことなんて何もやってないよ?」(佐々木氏)

「えっ?」(男性)

「えっ?」(佐々木氏)

 懲戒請求する弁護士がどのような人物なのかよく確かめないまま、呼びかけに応じた人もいるようだ。

 北氏は佐々木氏への懲戒請求を批判するツイートをしたところ、自分にも大量の懲戒請求書が届いたという。

「懲戒請求書の束を見て、自分は何をしたんだろうと怖くなりました。懲戒請求は誰でもできますが、弁護士にとっては資格を奪われるかもしれない重要なことです。やるのであれば根拠があるのかどうか、きちんと調べて欲しい」

 北氏は請求者と話すと、良くも悪くも「純粋」な人が多いと感じたという。

「年齢は高めで、男性ばかりではなく女性もいます。なぜこんなことをしたのか聞くと、『朝鮮学校の無償化に賛成する人に懲戒を請求すれば日本がよくなると思った』と複数の人が答えました。ネットの掲示板に匿名で書き込む感覚でやっている。懲戒請求するとどうなるかという具体的な認識がなかった。『こんなことになるとは』、という連絡をもらうこともありました」

 佐々木氏と北氏の会見を受けて、ネット上では「大量の懲戒請求をされても負担は大きくない」「多数の市民を訴えてお金をもうけようとしている」といった批判も出ている。

 佐々木氏はこう反論している。

「大量の請求書が届き怖い思いをしたし、所属する事務所にも迷惑がかかっています。裁判で勝ったとしても賠償金を回収するのは簡単ではなく、お金のためにやっているわけではありません。今回の懲戒請求のように、『大量の悪意』にさらされたのに被害回復できないケースはほかにもあります。同じことが起こらないようにするためにも、裁判で決着をつけたい」

 佐々木氏と北氏は懲戒請求者に6月下旬まで、謝罪と慰謝料計10万円を支払う条件で和解を呼びかけるという。その後は段階的に訴える方針だ。懲戒請求を呼びかけたブログの責任者らについては、刑事責任の追及も検討しているという。

※週刊朝日オンライン限定記事

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