「ブカツです!」
「……」
きょとんとした表情の陛下。どうやら、「部活」という単語になじみがなかった様子。女の子の父親が、「クラブ活動です」と補足すると、
「ああ、そうですか」
照れくさそうな、恥ずかしそうな表情を見せる陛下。今度は、美智子さまの周囲が騒がしくなった。
「虫が……」「ほんと!」。おばちゃまたちが、美智子さまの肩に触れんばかりに手を伸ばして虫を追い払っている。
お付きの人も驚いたのだろう。慌てて虫よけらしき傘を持ってきた。しかし、当の美智子さまは全く動じない。優雅な仕草で両手を胸に寄せると、虫を避けるように肩をすくめて、にっこりとほほ笑んだ。
「ありがとう」
さらに神対応は続く。
参加者は2台のバスで門から窓明館へ戻ることになっている。発車したバスから後ろを振り返ると、なんと両陛下がバスに向かって手を振っている。おふたりのお手振りは、バスが見えなくなるまで続いたという。(本誌・永井貴子)
※週刊朝日 2018年5月25日号