「今田(夢菜)は、小柄だし、普段は大人しいんですが、ライブのときはまるで怪獣みたいなんです(笑)」
口下手が多いというメンバーの中で、いつも率先してコメントをするPassCodeの南菜生さんは、隣にちょこんと座る今田さんを指してそう言った。
2月24日に配信されたアルバム「Locus」が、日本のiTunes総合アルバムチャートで1位を獲得した。その音楽性は、ラウドロックと呼ばれる激しいバンドサウンドを基調に様々な音楽要素を融合させている。とくに印象的なのが、今田さんのシャウト・スクリーモと呼ばれる“叫ぶ”パフォーマンスだ。
「今でこそ吠えまくってますけど(笑)、最初は全然できなくて。あるとき、ライブ中に急にそういう声が出たんです。最初の頃は、レコーディングで泣きだしてしまうようなことも、よくありました」(今田さん)
4年前に大阪で結成され、今のメンバーに固定されてから、2年半が経つ。当初は、「アイドルグループ」としてスタートしたが、その個性的なパフォーマンスが注目され、音楽フェスにも呼ばれるように。
「ライブハウスでの活動がメインなので、対バンの相手に、『しょせんアイドル』みたいに思われて、舐められたらイヤだな、と思っていた時期もありました。でも、今はもうどう見られてもいい。『Locus』は、“軌跡”という意味ですが、アイドルとしてスタートした過去があって今があるので……。やってもやっても足りていない感じは今も続いているものの、その“足りてない感じ”が原動力になっている部分もありますし。毎日必死です。それが私たちらしさなのかな、と」(南さん)
最後に加入した大上陽奈子さんは、現在19歳。彼女が、「今もしこれがなくなったら、どうやって生きてくんだろう?って思うくらいPassCodeが日常のほぼすべてを占めているんです」と話すと、最年長の高嶋楓さんが、「人生やんな」としみじみ呟いた。「音楽活動に関しては、今精一杯頑張って、いつかPassCodeとして終わりを迎えたい」と語るのは今田さんだ。