トヨタではかつて社員研修用に、こうした名言を集めた冊子をつくっていた。

 奥田、張富士夫、渡辺捷昭と3代続いたサラリーマン社長を経て2009年、創業家の豊田章男が社長に就いた。自動車業界はIT企業の新規参入もあり、異次元競争が始まっている。こうした局面で章男は17年11月、役員人事を発表した際にこう語った。

「自動車業界は100年に一度の大変革の時代に入った。次の100年も自動車メーカーがモビリティ社会の主役を張れる保証はどこにもない。『勝つか負けるか』ではなく、まさに『生きるか死ぬか』という瀬戸際の戦いが始まっている」

 いつの時代もトヨタには危機が襲い、それを乗り越えてきた歴史がある。歴代経営者の箴言からは、それが伝わってくる。

 トヨタと並び日本の製造業を代表するのがパナソニックだ。今年で創業100年を迎える。創業者・松下幸之助は平易な表現ながらも物事の本質を突く多くの言葉を遺している。

暮らしとモノ班 for promotion
大型セールAmazonプライム感謝祭は10/19(土)・20(日)開催!先行セール、目玉商品をご紹介
次のページ