陸上自衛隊のAH64D戦闘ヘリコプターが2月5日、佐賀県神埼市で墜落し、自衛官2人が死亡した事故。民家へ直撃したことから、不安が高まっている。
今回の事故では、AH64Dが離陸直後に管制官と交信をし、その5分後に墜落。交信で異常があるとは伝えてなかったという。
陸自で第4対戦車ヘリコプター隊長を務めた経験のある軍民ヘリコプター評論家の奥出阜義(あつよし)さんは、原因についてこう推察する。
「墜落の映像を見ると、メインローター(主回転翼)が吹っ飛んだ可能性が高い。ヘリが飛ぶ仕組みは、竹とんぼのようなもの。羽根が一つでも落ちれば下に落ちます。メインローターが吹っ飛んでしまうと、パイロットはどうしようもない」
主回転翼は、回転軸や羽根、羽根を軸に固定するメインローターヘッドなど複数の部品で構成。整備や部品に問題はなかったのか。
「当然ダブルチェック、トリプルチェックをしたとは思う。しかし、ヘリの整備は、100点満点中99点でもダメ。常に100点が求められる。99点の整備であれば、パイロットにとっては0点になりかねない」(奥出氏)