「キリンホールディングス」の磯崎功典社長(64)は死ぬまでにやりたいことが三つある。ひとつは「世界中をうならせるみかんを作ること」。実家がみかん農家で、自身も神奈川県小田原市にみかん畑を所有する。毎年1.5~2トンほど収穫し、昨年と一昨年は、東京・代官山のレストラン「スプリングバレーブルワリー東京」で、自作のみかんを使った「みかんエール」を期間限定で販売した。二つ目は「後悔しないよう妻孝行」、三つ目は「100年後、『あの会社のおかげで、今の世の中がある』と言われる経営をする」ことだ。

 最期まで肝臓がんと闘った姿が小説や映画「Life 天国で君に逢えたら」にもなった故・飯島夏樹さん(元プロウィンドサーファー)。飯島さんが亡くなったとき、妻寛子さんは37歳だったが、現在50歳となり、夫の余命宣告を機に訪れたハワイで今も暮らす。「『人間は生きてきたように死んでいく』と学びました。生涯で何を得たかより、誰かのために何を与えられたか、そこに真の価値があると思います」と寛子さん。DJやエッセイストとして活躍する傍ら、夏樹さんを見送って5年経ってから始めたマラソンにも精を出す。最初はリビングルームを一周する程度だったが、ホノルルマラソンのベストタイムは3時間46分である。

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