人気を回復しつつあった相撲界に、またも危機が訪れた。横綱日馬富士による暴行事件は、被害者・貴ノ岩の師匠である貴乃花親方の沈黙と不可解な行動によって、周囲が困惑する展開に。混乱の背景には、貴乃花親方と相撲協会現執行部との〝因縁〟があるようだが……。
【写真】暴行を受けた後、貴乃花親方と一緒に市役所を訪問していた貴ノ岩
今回の日馬富士暴行事件は14日、貴乃花親方が評論家を務めるスポーツニッポンのスクープで発覚。貴乃花親方はその日、協会執行部から呼び出され、事情聴取を受けている。
「協会は報道を受け『10時に来い』と貴乃花親方と伊勢ケ浜親方を呼び出したが、貴乃花親方には連絡がつかず、現れたのは13時すぎ。それも、理事長の部屋とは違う部署の部屋に入っていき、幹部が慌てて呼びに行ったそうです」(スポーツ紙デスク)
その後の聴取でも、話はかみ合わなかった。事情を知る協会関係者が語る。
「『なぜ協会に報告しなかったのか』と問われた貴乃花親方は『誰かに突き飛ばされて階段から落ちたのかもしれないじゃないか!』などと怒鳴り、貴ノ岩への聴取を要請しても『こちらは被害者だ。弁護士に話をする』などと言って応じない。最後は『話にならない!』などとキレて出ていってしまった。支離滅裂で、何がしたいのかわからない」
貴乃花親方は鳥取県警への被害届を取り下げる意思はなく、県警はすでに日馬富士、貴ノ岩ら関係者の任意の事情聴取に乗り出し、傷害容疑での立件の可否を検討している。さらに民事でも提訴すれば、元横綱の現職理事が現役横綱を訴える異例の事態となる。
騒動の渦中にサングラス姿で報道陣の前に現れる一方、謎の沈黙を貫く貴乃花親方に、同じ〝若貴世代〟のある親方もこう首を傾げる。
「貴乃花親方は相撲協会理事であり、巡業部長として巡業中に起きた事件には責任がある。自分が評論家を務めるスポニチがあれだけ報じているのに、取材には一切、応じない。将来、相撲協会を背負って立ってもらわないといけない立場なのに、おかしすぎる」