



4人の子ども全員が最難関医学部の東大理IIIに合格した佐藤亮子さんは、受験をサポートする前には「童謡」に熱心に取り組んでいた。3歳までに1万曲を実践。おかげで子どもたちは教養が身につき、勉強にも役立ったという。
「古きよき日本の歌を祖父母、親から孫や子に歌い継いでほしいのです」
と佐藤さんは話す。佐藤さんが実践した1万曲のうち、特におススメの童謡や唱歌100曲を表にした。しかし、「村の鍛冶屋」「赤い靴」「村祭」「めだかの学校」「月の砂漠」など10曲以上が、現在、音楽の教科書から消えてしまっている。
「学校で日本の美しい光景や文化を表した歌を習わないなら、私が教えようと。『村の鍛冶屋』は、鍛冶屋が減ったという理由で教科書から消えてしまったようですが、仕事に打ち込む様子を歌った素晴らしい歌だと思うんです」
童謡や唱歌への熱い思いをこう語る佐藤さん。長男が生後6カ月のときに見学した公文式教室のスローガンがきっかけだ。「うた200、読み聞かせ1万、賢い子」だったが……。
「読み聞かせの数字が頭に残り、歌も1万曲だと思い込んでしまいました。後で気づいたのですが、カラオケ好きの主人は『1万曲歌う!』と張り切っていたので、言えなくて……」
勘違いから始まった1万曲もの童謡は親子にとって「財産」となったという。
日本には四季折々の美しさがあり、その光景を歌った歌も多い。おかげで、子どもたちは生きた教養を身につけることができた。
「私が住む奈良には寺が多く、秋は紅葉が美しい。紅葉の名所・正暦寺に行ったとき、『まっかな秋』の2番に出てくるカラスウリを見つけ、子どもたちに教えると、『これか~』と感動していました」
歌の背景、歌に出てくる言葉などを説明すれば、語彙も増える。
「童謡のなかには、普段使わない言葉も出てきますから、説明してあげましょう。日本の伝統や文化、行事などを知ることができます」
学校の勉強にも役立った。国語のテストの問題に童謡の歌詞が引用されていたこともあるそうだ。