前原氏の“変化”を歓迎したのは、小沢氏に近い議員だけではない。かつて反小沢グループに所属していた民進党のベテラン議員も言う。

「政権を再び取り返すには、政治家の“知恵”が必要。小沢さんにはそれがあるが、民進党の議員は持っていない。小沢さんだけではなく、離党した議員や小池百合子東京都知事らとの連携も考えて、野党の分裂を防がなければならない。そうしないと、民進党どころか、すべての野党が次の衆院選で消滅してしまう」

 小沢氏は、偽メール事件で辞任した前原氏の後任として、06年4月に民主党の代表に就任した。同月に実施された千葉7区の補欠選挙で太田和美衆院議員を初当選させ、党内の求心力を一気に高めた。

「選挙の神様」「政界の壊し屋」などの異名を取る小沢氏を仲間に引き入れた前原新代表は、初陣となる10月22日投開票の三つの衆院補選(青森4区、新潟5区、愛媛3区)で最初の審判が下される。(本誌・直木詩帆、西岡千史、太田サトル、小泉耕平/横田一)

週刊朝日  2017年9月15日号