新代表になった前原氏(中央)。小沢氏という「劇薬」をも取り込み、今度こそ党勢を回復させられるか(c)朝日新聞社
新代表になった前原氏(中央)。小沢氏という「劇薬」をも取り込み、今度こそ党勢を回復させられるか(c)朝日新聞社

 民進党代表選で圧勝した前原誠司氏(55)。その勝因の一つは、かつての“政敵”との和解だという。

 昨年の代表選では蓮舫氏に惨敗した前原氏だが、たった1年で党内基盤を着々と固めた。民進党の関係者は言う。

「前原さんは、民主党政権時代に激しく対立した小沢(一郎・自由党代表)さんと2013年から食事に行くようになり、政治の相談事をできる仲にまでなりました。最近は、2人で会うこともあります」

 小沢氏との関係改善は、今回の代表選に少なからぬ影響を与えた。前原氏の推薦議員には、松木謙公氏や小宮山泰子氏など、かつての小沢グループの議員が名を連ね、代表選に圧勝した要因の一つとなった。

 2人は、目指す野党共闘の方向性でも一致している。小沢氏周辺はこう話す。

「前原さんは、共産党が自主的に小選挙区の候補者を取り下げた09年の衆院選の手法を学びたいと考えているのでしょう。当時、民主党で選挙を仕切っていたのは小沢さん。共産党はそれまで300ある小選挙区のほぼすべてに候補者を立てていましたが、09年だけ約半分に減らしました。ところが、小沢さんは共産党と政策合意はしていません。自民党政権を倒すため、小沢さんと志位(和夫・共産党委員長)さんによる『あうんの呼吸』の選挙協力でした」

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