横綱稀勢の里に続いて新大関高安も誕生し、さらなる盛り上がりを見せる大相撲。大相撲講座の講師も務める、角界きっての相撲文化の語り手である西岩親方(元関脇若の里)と、4月に新しく部屋を興したばかりの鳴戸親方(元大関琴欧洲)のおふたりをお招きし、自ら相撲を取ったこともあるスー女(相撲女子)ライター・和田靜香氏が、相撲部屋の“今”を聞いた。
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──西岩親方のいた旧・鳴戸部屋は厳しいイメージがあります。そのせいか、関取もみんな無口とか。
西岩:そうですね、先代の親方(元横綱隆の里)は厳しい人でした。勝っても負けても表情に出すのが嫌いでしたし、インタビューでべらべらしゃべるのも毛嫌いしてました。勝って付け人とハイタッチしてはいけないし、負けてタオルを付け人に投げるのも絶対にやっちゃダメだって。
鳴戸:うちの先代(佐渡ケ嶽親方・元横綱琴桜)も「負けた相手の家族や応援する人のことを考えろ」と常に口にしていましたね。
──力士にとって親方とは?
西岩:絶対的存在です。
──即答ですね。
鳴戸:おかみさんは「白い紙があっても、親方が黒と言ったら黒です」って言ってました。師匠が間違っていることがわかっていても「ハイ」と返事をします。