永遠の詩(狂熱のライヴ)
永遠の詩(狂熱のライヴ)
祭典の日(奇跡のライヴ)
祭典の日(奇跡のライヴ)

 はっきり言おう、レッド・ツェッペリン(以下、ツェッペリン)を聴かずして、ロックを語るなかれ、これが、誰がなんと言おうと、わたしの考えだ! などと、偉そうに言うまでもなく、多くの方が、賛同してくれることではないだろうか。そして、今でも、彼らの音を求めるファンが世界中に数多く存在しているのも事実だ。
 昨年2012年には、『祭典の日(奇跡のライヴ)』と題された新譜が発売されている。1980年、ドラマーのジョン・ボーナム(以下は生前の愛称、ボンゾ)の死によって、二度と活動できなくなったツェッペリンが、07年12月、アトランティック・レコードの創設者アーメット・アーティガンのトリビュート・コンサートのステージにたった一夜限り登場し、演奏した記録だ。
 ドラマーは、映画『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ』で、ボンゾといっしょに写っていたご子息ジェイソン・ボーナム。父親譲りの力強いドラムを聴かせてくれた。
 ツェッペリンは、8枚のスタジオ・アルバムを残している。ロック・ファンたる者、そのすべてに聴く価値があると思う。しかし、今回は、別の視点で彼らの歩みを見てみよう。
 ライヴである。ツェッペリンは、68年10月からレコーディングと平行してライヴ活動を開始する。ライヴとレコーディングという活動は、80年、ボンゾが亡くなるまで、紆余曲折はあるにしろ続いていく。
 今のリスナーが幸福なのは、ツェッペリンのツアーごとのライヴ音源、あるいは映像がリリースされているということだろう。リアルタイムで聴いてきたわたしたち世代には、76年に登場する映画とサントラとして発表された『永遠の詩(狂熱のライヴ)』(以下『永遠の詩』)以外、97年に『BBCライヴ』が発売されるまでの約20年間、正式なライヴ音源を聴くことはできなかったのだ。
 今では、CDでは『BBCライヴ』が、69年と71年。『伝説のライヴ』が72年。映像では、『永遠の詩』73年。『レッド・ツェッペリンDVD』69年、70年、73年、75年、79年のライヴが納められている。おもなツアーの音や映像を楽しみ、その変化をたどることができるようになった。まだ、残されているのは、77年のツアーということになる。いつ、どのように出すのか、ジミー・ペイジが戦略を練っていることだろう。楽しみなことだ。
 さて、そのそれぞれのツアーは、新譜の曲も含め、色合いが異なる。そのなかでも、ファンの間で人気の高いのが、73年のライヴではなかろうか。その一番の理由は、先ほどの映画『狂熱のライヴ』で、初めて動くツェッペリンを見ることができ、その姿をまぶたに焼き込んだためであろう。もう一つは、その次のツアーから、ボーカルのロバート・プラントの声に変化が出てきたということがあると思う。
 さて、ここで、今回のライヴは、ツェッペリンのコピー・バンドの紹介である。
 みなさんは、コピー・バンドと聞いて、さまざまな予想をすると思う。コピー・バンドにも、さまざまなコンセプトがあるからだ。過去にも、ツェッペリンの曲をレゲエで演奏したアルバムなどもあった。これは、コピーとは言わないかもしれないが。今回紹介する「ZOSO」は、73年当時のライヴを完全再現するというのがテーマである。噂によると、ジミー・ペイジのミス・タッチまで、再現するという。73年と言えば、映画『狂熱のライヴ』の録画場所ともなったマディソン・スクエア・ガーデンでのライヴをはじめとした大型会場での演奏が中心になっている。その時代の音をライヴ・ハウスで聴けるというのも、楽しい限りだ。
 もう、一生、二度と、聴くことができないと思っていた、レッド・ツェッペリンのライヴを、楽しんでみたいと思う。

■公演情報は、こちら
http://clubcitta.co.jp/001/theledzeppelinexperience-zoso/