「ツチノコ」……。中高年なら、そういえば昔ブームがあったような気がする。小学生なら、人気ゲーム「妖怪ウォッチ」に出てくるやつ。アニメファンなら、「けものフレンズ」に出てくるアニマルガール。こんなところだろうか。
未確認生物(UMA)で、全国に目撃情報があるが、公式に“発見”されたことはない。体長は30~80センチほどで胴が異常に太い。1970年代には小説や漫画などに取り上げられ、大ブームを巻き起こした。いまでは恐ろしい生き物というより、愛すべき存在になっている。
そんなツチノコを探すイベントが5月3日に岐阜県東白川村である。「つちのこフェスタ2017」で、1千円を払って商品券付きのチケットを買えば捜索に参加できる。見つければ賞金128万円が手に入る。
なぜこの金額か。89年に100万円でイベントが始まり、見つからないまま毎年1万円ずつ積み上げてきたからだ。
ばからしいと思ったあなた。昨年は全国から3千人近くの“ハンター”らが集結。人口約2400人の過疎の村が活気にあふれた。
「東白川村は日本で一番目撃事例が多い村だと言われている。お年寄りに聞くと『昔は山にいくらでもいた』と言われた。私は見たことはないが、この村にはいると信じている。地域活性化に貢献してくれるありがたい存在でもある」
こう話すのは村にある「つちのこ館(やかた)」の館長の安江豊司さん(65)だ。
入場者はこのところ、前年の同時期に比べ2倍近くに増えている。ネットで話題のアニメ「けものフレンズ」にツチノコが登場し、安江さんのインタビュー内容も流れたからだ。