低視聴率で苦戦する「突然ですが、明日結婚します」(フジテレビ系 月曜21:00~)。漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、月9凋落の理由を分析する。
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第6話の視聴率が5%で、ついに月9ワーストを更新した本作。何がどうして、こうなった。今の月9がダメな10の理由を考える。
【1】主役が誰? ヒロインの西内まりやはともかく、相手役のflumpoolのボーカル・山村隆太が誰?状態。
星野源だって、「ゲゲゲの女房」の弟役とか、コツコツ脇で河原の石積み上げてきたのに、いきなりか。
【2】今さらギョーカイ。その山村の職業が、テレビ局のアナウンサー。ナナリューこと名波竜。朝の情報番組の人気アナとやらに「だから、そんな顔しないで(ハート)」などとささやかれても、軽部真一アナの顔が浮かんできて集中できない。
【3】部屋の家賃が180万円。友人の小野(森田甘路)の部屋を、ナナリューはタダで間借り。
しかもそこで同棲。そんなうまい話あるか。
【4】180万の部屋で、毎週飲み会。おしゃれな部屋でおしゃれな職業のおしゃれな飲み会を、90年代からくり返しすぎ。
【5】ギャグが滑る。椿鬼奴、加藤諒と、ギャグシーンはキャラ頼み。
そしてデブの小野がやたら脱ぐ。薔薇風呂入ったり、太鼓腹に筋トレ器具つけたり。デブの裸で笑わそうとする姿勢がつらい。
竹内まりやの「元気を出して」を……って、もしや西内まりやなので竹内まりやというダジャレ!?
【7】ということは、突然レギュラー陣行きつけの店に意味なく出て来た生田竜聖アナって。ナナリューだから、イクリュー!? まさかのダジャレ出演?
【8】当て馬が当て馬すぎる。
ナナリューの隙を見ては、あすか(西内)に迫る神谷(山崎育三郎)。恋愛ドラマで育三郎の恋が実ったの、見たことないってくらい絶賛当て馬アクター。
【9】設定が無理。とにかく結婚を断固拒否するナナリュー。明かされたその理由は、「再婚した母が幸せそうじゃなかったから」。
それだけか。マザコンか。結婚はしないけど、同棲はするって、責任逃れか。
【10】やたらとキスシーンばかり。ラブストーリーというより、キスシーンの合間を鼻歌とセリフでつなぐ物語なのだった。だから突然ですが、明日打ち切りしますって言われても、すぐ終われそうだから大丈夫?
※週刊朝日 2017年3月24日号