――夫は、「最低でも県外」と発言した米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設をめぐる混乱や、政治献金問題によって首相を辞任。わずか8カ月の短期政権だった。
夫:沖縄のこともありましたが、政治資金ではたたかれました。秘書が母から資金提供を受けていたのをわたしに言えなくて、帳簿をウソの名義に書き換えていた。それが個人献金だと。
妻:確かに名義替えは悪いことだけど、でもアンダーグラウンドでもらったお金じゃない。母親が息子に私財を投じてなにが悪いの?
夫:ルール違反だったから、悪いことは悪いんだよ。
妻:机のひとつもバン!っとたたいて「どこが悪いんだ!」って言ったら?って、あのとき主人に言ったんです。私だったら、そうするわって。こう言うと、また矢のような批判がワーッとあるでしょうけど。
夫:だから「あなたが(政治家を)やりなさい」って、いつも言ってるんですけど。
妻:でも私がやったら「さあ、みんなで金星行きましょう!」みたいになっちゃうでしょ(笑)。
――12年に夫は政界を引退。現在は東アジア共同体研究所理事長として、民間で外交を進めようとしている。
夫:トランプさんも安倍さんも軍事力強化の方向だけど、それで平和はつくれないんですよ。人としてのお付き合いを増やしていけば、「あんたを殺すぞ」という話にはならない。いかに周辺の国々と仲良く付き合っていくかが大事ですから。
妻:引退のときも「あなたはまだ政界に必要じゃない?」とは言ったけれど。
夫:総理辞任のときほど反対はしなかったよね。
妻:本人が決めることですからね。でも、あれから日本はどんどんおかしくなっていると思います。国民も心の底では「怖いな」と思っていても、意思をハッキリと言えない国に、政治家はしていこうとしているじゃない? それが問題だと思う。