俳優・タレントの杉本彩さんと夫である映画監督・オフィス彩代表取締役の松山禎秀さん。紆余曲折を経て、晴れて夫婦となった。2人の愛のカタチとは?
※「杉本彩『元夫が社長、私がタレント、彼がマネジャー』結婚前の奇妙な関係」よりつづく
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――心臓弁膜症をわずらうという死のふちから生還した夫。しかし今度は、元気だった彼が躁鬱(そううつ)症状に悩むようになった。
妻:これだけ体格のいい人が、退院したときには60キロありませんでした。
夫:精神的にも不安定になってね。
妻:手術直後は、生き延びた!っていう喜びでいっぱいだったんだけど……生き残ったものの、それまで普通にできていたことができなくなった。以前の自分とは違う。それが受け入れられなかったのね。
夫:お世話かけました。
妻:そんな中、この人、薬の量を間違えたことがあったんですよ。
夫:あー。
妻:処方が変わって、同じ薬なんだけど、1錠に含まれる量が変わったの。ちゃんと説明を受けたはずなのに、私生活でちょっと大きなケンカをしたりして、動揺してたんでしょうね。
夫:ぼんやりと、通常の何倍もの量を何日間か、飲んじゃったんですよ。
妻:朝起きたら、枕が血だらけ! いすに座ってただけなのに、太ももにびっくりするぐらい大きな青あざができてたりして。
夫:彼女から「ワーファリンの量、間違えてるんじゃないの?」って言われて、はっと気がついた。血液を凝固させにくくする薬です。慌てて主治医のところへ行ったら、即、入院!
妻:いやー、あのころ、ケンカして殴ったりしなくてほんとに良かったと思って。
夫:もしもし?
妻:結局、離婚してから彼と再婚するまで、8年かかりましたね。
夫:まあ、僕は籍がどうであれ、一生、そばにいるつもりでしたから。
妻:私も若いころから激情型だし、彼は彼で短気なところがありましたから。衝突したらすごいケンカ。彼もよく耐えたな、と。
夫:今も耐えてますけど。