都知事選から1カ月あまり。精力的な活動で、一挙手一投足がマスコミに報じられる小池百合子東京都知事。作家・林真理子さんとの対談では、政策面の展望について話していただきました。
* * *
林:小池さんは交友関係が広いから応援してくださる方も多いと思うけど、「あれやれ」「これやれ」とかピーチクパーチク、いろいろ言われて大変なんじゃないですか。
小池:一人で考えてるよりずっと刺激的ですね。いろんなアイデアをもらいますが、いままでの古い流れでやってきた人がひっくり返りそうな大胆なアイデアが多いです。
林:いろいろなことを考えると、目が冴えちゃって夜も寝られないとか、あります? ああしたい、こうしたいとか……。
小池;いろいろ考えます。常に何か考えていて、それが楽しいですね。
林:実行できそうなことでは、たとえばどんなことがありますか。
小池:私は“合わせ技”が得意で、空き家を保育園に改修するとか。東京に82万戸ある空き家には、改修して小規模保育所にできそうなところがあるんですね。小さな保育所をたくさんつくれば、通園もラクですし、園庭がないなら近くの公園を利用するとか工夫すればいいんです。今はそれぞれ全く別でやっている問題を一緒にやっていけば、意外と答えが出る。発想はとても自由ですね。
林:ほかにも「こういうことをしたい」というのは、ありますか。
小池:男性も女性も働きすぎ。よく「ワーク・ライフ・バランス」と言うけれども、まずはひっくり返して「ライフ・ワーク・バランス」を心がけましょうと言ってるんです。先に生活があって、仕事はあと。都庁の職員の残業も非常に長い。担当者に「残業を短くするための標語を考えて」と言ったら、「22時までに帰りましょう」というので、びっくりしましたね。
林:都庁の人って、そんなに働いてるんですね。
小池:18時に変えてやろうかと思ったけど、まずは20時にしました。オランダの会社で午後6時になるとデスクが勝手に天井近くまで上がって仕事ができなくなるというのを、CNNで見たの。そういうことが都庁でできないかなと思ったりね。